地域医療、その中でも特に在宅医療を担う医師の特殊性は、人の生死に直接かかわるところにあると言える。在宅見取りを推奨している最近では、看取ることを前提とした在宅患者を受け持つことも多くなり、その分、責任も伴い時間も拘束され、担当医のプライベートな時間はなくなっていく。だが、その結果として看取った患者とその家族が納得いく最期を迎えることができたのならば、私たちの苦労も報われたといえる。 在宅医療と言えども都市部であれば、担当医のグループ制を敷き人海戦術を取ることで医師の負担軽減が可能である。しかし地方の、特に限界集落の地域では医師が一人しかいないのに、看取り患者が増え、医師の負担も増加の一途である。 そんな地域医療の現場の真ん中で日々診療する。一人の男の生き様を括目してもらいたい。そこに人がいる限り、私は最後まで医師としての使命を持って戦うことをやめない。